バターミルクパウダーの代用は何が良い?身近な材料で風味や食感を再現するコツ

パンやパンケーキのレシピで時々見かけるバターミルクパウダーは、バターを作る際に出る副産物を乾燥させたものです。独特のコクと爽やかな酸味を加え、生地をふんわりさせる効果がありますが、一般のスーパーでは手に入りにくいこともあります。身近な材料を使って、その風味や効果を再現する方法をご紹介します。

目次

バターミルクパウダーの代用は「乳成分+ほどよい酸味」で近づけられる

バターミルクの最大の特徴は、乳製品由来のまろやかなコクと、乳酸菌によるほのかな酸味にあります。この酸性がベーキングソーダ(重曹)と反応することで、生地をより高く、ふんわりと膨らませる役割も果たします。代用品を作る際は、この「乳成分」と「酸」の組み合わせを意識することが成功の鍵です。

牛乳にレモン汁や酢を混ぜて酸味を作る

最も手軽で一般的な代用方法は、牛乳にレモン汁やお酢を加える方法です。コップ1杯(約200ml)の牛乳に対し、小さじ1から大さじ1程度のレモン汁やお酢を混ぜて5分ほど放置します。すると、牛乳のタンパク質が酸に反応して少しとろみがつき、バターミルクに近い状態になります。この液体は「疑似バターミルク」として、海外のレシピでも広く親しまれている手法です。

レモン汁を使うと爽やかな柑橘の香りが加わり、パンケーキやマフィンなどのスイーツ系に最適です。一方で、料理やお食事パンに使う場合は、味の邪魔をしない穀物酢やホワイトビネガーが向いています。この方法で代用すると、生地のキメが細かくなり、しっとりとした質感に仕上がります。ただし、加えた酸が生地の中の重曹と反応するため、混ぜ合わせた後は手早く焼き始めるのが、膨らみを損なわないためのポイントです。

ヨーグルトを水分でのばして使う

プレーンヨーグルトは、それ自体が乳製品であり酸味も持っているため、バターミルクパウダーの非常に優秀な代用品になります。そのままでは濃度が高すぎるため、牛乳や水で割ってサラサラとした液状にしてから使用します。目安としては、ヨーグルトと牛乳を1対1、あるいはヨーグルト2に対して牛乳1の割合で混ぜ合わせると、本物のバターミルクに近い質感と風味になります。

ヨーグルトを使うメリットは、乳酸菌の働きによって生地が非常に柔らかく、もっちりとした食感になることです。パン生地に練り込むと、焼き上がったときに小麦の甘みが引き立ち、時間が経ってもパサつきにくいパンになります。また、バターミルクパウダー特有の濃厚なコクも再現しやすいため、より本格的な仕上がりを目指す方におすすめです。無糖のものを選び、生地の水分量を見ながら少しずつ調整して加えてみてください。

サワークリームでコクと酸味を足す

よりリッチで濃厚な味わいを再現したいときは、サワークリームを活用するのが一番です。サワークリームは生クリームを乳酸菌で発酵させたものなので、バターミルクよりも脂質が高く、非常に深いコクがあります。これを牛乳で薄めて使うことで、プレミアムな仕上がりのパンや焼き菓子を作ることができます。

サワークリームでの代用は、特にパウンドケーキやスコーンなど、どっしりとした重厚感が欲しいメニューに適しています。酸味もしっかりと感じられるため、生地に程よい締まりが出て、口どけの良さが向上します。脂質が高くなる分、レシピ内のバターの量を少し減らすなどの調整をすると、バランスが良くなります。少し贅沢な軽食を作りたいときや、ホームベーカリーでの食パン作りをワンランクアップさせたいときに、ぜひ試していただきたい代用法です。

スキムミルクで乳風味を補う

「酸味はいらないけれど、乳製品のコクや風味だけを補いたい」という場合には、スキムミルク(脱脂粉乳)が便利です。バターミルクパウダーはスキムミルクに似た粉末状の形態をしているため、扱いやすさは抜群です。ただし、スキムミルクにはバターミルク特有の酸味がないため、これ単体では生地を膨らませる化学反応を助ける効果は期待できません。

スキムミルクで代用する際は、少量のレモン汁を併用するか、レシピのベーキングパウダーの量を少し増やすことで、膨らみの不足をカバーできます。風味の面では、スキムミルクは非常にあっさりしているため、物足りなさを感じるかもしれません。その場合は、全粉乳を使ったり、練乳を隠し味に少量加えたりすることで、バターミルクに近い「ミルキーな奥深さ」に近づけることができます。手元に他の材料がなく、まずは手軽に代用したいときには、最も失敗が少ない選択肢となります。

バターミルクパウダーの代用に便利なおすすめ商品

代用品を自分で作るのも良いですが、市販のパウダーや乳製品を常備しておくと、思い立ったときにすぐパン作りが始められます。ここでは、本物のバターミルクパウダーから、代用として使い勝手の良い定番アイテムをピックアップしました。

よつ葉 北海道バターミルクパウダー

北海道産の生乳から作られた、国内で最も信頼されているバターミルクパウダーです。風味の良さと溶けやすさに定評があります。

項目内容
特徴北海道産100%の安心感。保存に便利なジッパー付きで、少量使いも簡単です。
おすすめ用途パン生地、パンケーキ、スープのコク出し。
公式リンクよつ葉乳業 公式サイト

富澤商店 バターミルクパウダー

製パン・製菓材料の専門店、富澤商店が扱う高品質なパウダーです。プロ仕様の仕上がりを求める方に選ばれています。

項目内容
特徴粒子が細かく、他の粉類と混ざりやすい。乳の自然な甘みが強く感じられます。
おすすめ用途本格的なスコーン、マフィン、食パン作り。
公式リンク富澤商店(TOMIZ)公式サイト

無糖ヨーグルト(プレーン)

どこのスーパーでも手に入るプレーンヨーグルトは、代用品の王様です。特定の商品に限らず、新鮮なものを選んでください。

項目内容
特徴入手が極めて容易。牛乳で割るだけで、すぐに液体バターミルクの代わりに使えます。
おすすめ用途パンケーキ、クイックブレッド、しっとり系食パン。
公式リンク明治ブルガリアヨーグルト(参考)

サワークリーム

タカナシ乳業やメグミルクなどから販売されているサワークリームは、コクを追求したい時の最強の代用品です。

項目内容
特徴生クリーム由来の濃厚な味わい。乳酸菌の爽やかな酸味が生地を贅沢にします。
おすすめ用途リッチなマフィン、パウンドケーキ、ニューヨークチーズケーキ。
公式リンクタカナシ乳業 公式サイト

スキムミルク(脱脂粉乳)

森永乳業や雪印メグミルクのスキムミルクは、保存性が高く、パン作りの基本材料として常備しておくと非常に便利です。

項目内容
特徴脂肪分が少なく、乳タンパクを効率よく摂取。長期保存が可能でコスパも良好。
おすすめ用途毎日の食パン作り、カルシウムを補強したい軽食。
公式リンク雪印メグミルク 公式サイト

レモン果汁100%(または穀物酢)

ポッカサッポロのレモン果汁などは、牛乳と合わせて「即席バターミルク」を作るのに欠かせない名脇役です。

項目内容
特徴生のレモンを絞る手間が省けます。常に一定の酸度で使えるため、失敗が少ないです。
おすすめ用途液体バターミルクの自作、アイシングの風味付け。
公式リンクポッカサッポロ 公式サイト

バターミルク風ミックス粉(パンケーキ用)

昭和産業や日清製粉ウェルナなどから、あらかじめバターミルク成分を配合したパンケーキミックスも販売されています。

項目内容
特徴計量不要で、混ぜるだけでバターミルクの風味と膨らみを再現できます。
おすすめ用途忙しい朝の朝食、失敗したくない初めてのパンケーキ作り。
公式リンク日清製粉ウェルナ 公式サイト

代用するときの分量と仕上がりの違いを押さえるコツ

バターミルクパウダーの代わりに液体の代用品を使うときは、レシピ全体の水分バランスを崩さないことが最も重要です。パウダーは「粉」ですが、牛乳やヨーグルトは「水分」を多く含むため、代用する分だけレシピ内の水や牛乳の量を減らす必要があります。ここでは、狙った通りの食感に仕上げるための具体的な調整方法を見ていきましょう。

レシピの水分量は酸味素材の量で微調整する

本来パウダーを使うレシピで、牛乳やレモン汁の液体代用品を使う場合は、その液体分だけレシピ内の「水」や「牛乳」を差し引いて計算します。例えば、レシピに「バターミルクパウダー 大さじ1」とある場合、これを「牛乳 大さじ1 + レモン汁 数滴」で代用するなら、元々の水分量を大さじ1杯分減らすのが基本です。

ただし、ヨーグルトやサワークリームのように粘度があるものを使う場合は、さらさらとした水よりも生地が固まりやすくなります。そのため、見た目の生地の柔らかさを確認しながら、小さじ1杯単位で水分を足して調整するようにしてください。生地がゆるすぎると形が崩れ、固すぎると膨らみが悪くなります。指で触れたときに少し吸い付くような、心地よい弾力を目指して水分を合わせるのが、成功への近道です。

パンケーキは酸味強めでふんわりしやすい

パンケーキを作る際にバターミルクパウダーを代用するなら、少し酸味を強めにするのがおすすめです。パンケーキのレシピにはベーキングパウダーや重曹が含まれていることが多いため、酸性度が高い代用品(レモン汁多めの牛乳や、しっかりとした酸味のヨーグルト)を使うと、化学反応が活発になります。この反応で生まれる二酸化炭素が生地の中に無数の気泡を作り、お店のような分厚くふわふわの仕上がりを実現します。

また、酸の働きで小麦粉のグルテン形成が適度に抑えられるため、口の中でとろけるような軽い食感になります。代用品を混ぜる際は、決して混ぜすぎないように注意してください。ダマが少し残る程度にさっくりと合わせることで、酸の力が最大限に活かされ、最高の膨らみを得ることができます。朝食のパンケーキが劇的に変わる瞬間を、ぜひ代用品で体験してみてください。

食パンやパン生地は酸味控えめで扱いやすい

ホームベーカリーなどで食パンを焼く際に代用する場合は、パンケーキとは逆に、酸味を控えめに調整するのがコツです。パン作りはイースト(酵母)による発酵が主役ですが、環境が酸性に傾きすぎると、イーストの活動が抑制されてしまうことがあります。ヨーグルトを使うなら牛乳でしっかりと薄めるなど、マイルドな酸味に留めるのが安全です。

ほどよい酸味は、パンの老化を防ぎ、数日経っても柔らかい状態を保ってくれる効果があります。また、焼き上がりの香りが非常に豊かになり、プロが作ったような複雑な風味になります。捏ねている途中で生地がベタつきやすい場合は、粉を足すのではなく、捏ね時間を少し長めにして生地を繋げるように意識しましょう。代用品を上手に使い分けることで、食パンのバリエーションがぐんと広がります。

風味が薄いときはバターと塩で整える

スキムミルクや低脂肪のヨーグルトで代用した際、どうしても本物のバターミルクに比べて「コクが足りない」と感じることがあります。バターミルクにはバター由来の濃厚な脂肪分が微量に含まれているため、代用品ではあっさりしすぎてしまう場合があるのです。そのようなときは、レシピのバターの量を5gから10gほど増やしてみてください。

また、隠し味として「塩」をほんのひとつまみ追加するのも効果的です。塩気が乳製品の甘みとコクを引き立て、バターミルク特有の深みのある味わいに近づけてくれます。さらに、バニラオイルを1滴落とすことで、香りの面からもリッチさを補うことができます。素材の個性を理解して、足りない部分を補完する工夫をすることで、代用品であることを忘れてしまうほどの完成度に仕上げることが可能です。

代用品でも狙った味と食感に仕上げるまとめ

バターミルクパウダーが手元になくても、牛乳、レモン汁、ヨーグルトといった身近な材料があれば、その魅力を十分に再現できます。大切なのは、乳成分に「酸」を組み合わせること、そして全体の水分量を適切に調整することです。パンケーキなら酸味を活かしてふんわりと、食パンならマイルドに合わせて風味豊かにと、メニューごとに代用方法を使い分けましょう。

よつ葉や富澤商店のパウダーを常備するのが理想的ですが、サワークリームを使ったリッチなアレンジなども代用品ならではの楽しみです。今回ご紹介したコツを取り入れれば、わざわざ特殊な材料を買いに行かなくても、今日からすぐに本格的なパン作りや軽食作りが楽しめます。素材の不思議な化学反応を味方につけて、あなたのキッチンから生まれる一皿を、もっと美味しく、もっと自由に進化させてみてください。

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この記事を書いた人

パンの香りって、それだけで一日がちょっと良くなる気がして大好きです。ふわふわの食パンも、噛むほど甘い麦パンも、土地ごとのパン文化も、知れば知るほど奥が深いのが楽しいところ。地域のパンや各地のベーカリー、朝食の豆知識などパンの世界をまるごと楽しめる情報を発信します。

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