発酵かごの代用はボウルやざるで十分!丸いパンを綺麗に焼き上げるコツ

カンパーニュのような丸い大きなパンを作りたい時、専用の「発酵かご(バヌトン)」がないと諦めていませんか。実は家にあるボウルやざるを活用すれば、誰でも綺麗な形に焼き上げることができます。代用アイテムの使い方や失敗しないための工夫を知って、パン作りの幅を広げてみましょう。

目次

発酵かごの代用は家にある道具でも丸い形と張りを作りやすい

専用の発酵かごを持っていなくても、キッチンの定番アイテムを組み合わせることで代用は十分に可能です。代用道具の目的は、生地が横に流れるのを防ぎ、上に向かって膨らむようにサポートすることにあります。家にある道具の特性を理解して選ぶことで、お店のような本格的な仕上がりを目指せます。

ボウルで形を支えるとだれにくくなる

カンパーニュのような水分量の多い生地は、そのまま天板に乗せて二次発酵させると、生地の重みで横に広がって平たくなってしまいます。これを専門用語で「だれる」と言いますが、ボウルを代用することでこの現象を防ぐことができます。ボウルの丸いカーブが生地を優しく包み込み、発酵の力を上方向へと導いてくれるからです。

ボウルを代用する際は、以下の点に注目して選んでみてください。

  • 生地の大きさに合ったサイズを選ぶ(発酵後の大きさを想定する)
  • ステンレス製やガラス製など、表面が滑らかなものを選ぶ
  • 深さがあるものを選ぶと、より高さのあるパンになる

ボウルは気密性が高いため、生地の水分が飛びにくいというメリットもあります。ただし、そのまま入れると生地が張り付いてしまうため、必ずふきんを敷いてたっぷりと打ち粉をすることが大切です。ボウルの形状をうまく利用すれば、専用かごがなくても腰高で美しいシルエットのパンが焼き上がります。

ざるは通気がよく表面が乾きすぎにくい

竹製や樹脂製の「ざる」は、専用の発酵かごであるバヌトンに最も近い使用感を得られる代用アイテムです。最大の利点はその通気性の良さにあります。発酵中、生地の表面が適度に呼吸できるため、表面に薄い膜が張ったような状態になり、焼き上がりのクープ(切り込み)が綺麗に開きやすくなります。

ざるを使用するメリットは他にもあります。

  • 網目があるため、蒸れによるベタつきを防げる
  • 軽量で扱いやすく、洗った後の乾燥も早い
  • 家にある身近な道具なので、コストがかからない

竹ざるを使用する場合は、網目に生地が入り込まないよう、ボウルと同様にふきんを敷いて使用するのが一般的です。もしプラスチック製のざるで、網目が細かいものであれば、しっかりと粉を振ることでふきん無しでも使える場合があります。通気性を確保することで、生地の表面がダレることなく、パリッとしたクラスト(外皮)の質感を出しやすくなるのがざる代用の魅力です。

ふきんの粉打ちでくっつきを防ぎやすい

ボウルやざるを代用する際、欠かせないのが「ふきん」と「打ち粉」の組み合わせです。専用の発酵かごは籐(とう)で作られており、粉が定着しやすい構造をしていますが、代用品では生地が直接触れると張り付いて剥がれなくなるリスクがあります。そこで、清潔なふきんを緩衝材として活用します。

ふきんの選び方と使い方のコツは以下の通りです。

  • 表面が滑らかなリネンや、毛羽立ちの少ない綿100%の素材を選ぶ
  • ふきんの網目が見えなくなるくらい、たっぷりと打ち粉を振る
  • 強力粉だけでなく、米粉を混ぜるとさらに剥がれやすくなる

特に米粉は小麦粉に比べて水分を吸いにくいため、長時間の発酵でも生地がふきんにくっつくのを強力に防いでくれます。ふきんを使うことで、代用道具の形を生地に写しつつ、取り出すときにはするりと滑り落ちるようなスムーズさを実現できます。粉が適度に残ったパンの表面は、素朴で温かみのある本格的な表情に仕上がります。

冷蔵発酵でも代用品は使いやすい

最近のパン作りで人気の「オーバーナイト法(冷蔵長時間発酵)」でも、ボウルやざるの代用は非常に有効です。冷蔵庫の中は乾燥しやすいため、通気性の良すぎるかごよりも、ボウルにふきんを敷いてラップをかけた状態の方が、生地の乾燥を防ぎながらゆっくりと熟成させることができます。

冷蔵発酵で代用品を使うメリットは以下の通りです。

  • ボウルなら冷蔵庫の狭いスペースにも収まりやすい
  • 低温で長時間置くことで、生地が道具の形にしっかり馴染む
  • 翌朝、冷たいままの生地をすぐにオーブンへ入れる準備ができる

冷蔵庫から出したばかりの生地は引き締まっているため、ボウルから取り出した後の形が崩れにくいという利点もあります。代用道具の中でじっくりと時間をかけて発酵した生地は、熟成された旨味と、しっかりとした張りを持ち合わせています。忙しい方でも、家にある道具を冷蔵庫で活用するだけで、プロのような味わいのパン作りが可能になります。

発酵かご代用に使いやすいおすすめ7選

発酵かごの代用として役立つ道具や、パン作りをより快適にするアイテムを紹介します。

ステンレスボウル(小さめ〜中サイズ)

ステンレスボウルは、どの家庭にも必ずある万能な代用道具です。熱伝導が良いため、発酵器に入れた際も温度が伝わりやすく、安定した発酵を助けます。

項目内容
特徴耐久性が高く、衛生的で洗いやすい
向いているパン18cm〜20cm程度の丸型カンパーニュ
推奨サイズ直径18cm〜21cm程度
公式サイト柳宗理 公式サイト

ざる(竹ざる・樹脂ざる)

通気性を重視するならざるが一番です。特に竹ざるは、余分な水分を適度に吸収してくれるため、生地の状態が安定しやすくなります。

項目内容
特徴蒸れを防ぎ、クープが開きやすい表面を作る
向いているパンハード系のパン全般
注意点網目に生地が入らないようふきんを併用する
公式サイトパール金属公式オンラインショップ

パンマット(キャンバス生地)

ふきんの代わりに、より厚手のパンマット(キャンバス生地)をボウルに敷く方法もあります。生地が付きにくく、プロのような仕上がりになります。

項目内容
特徴丈夫で粉が定着しやすく、生地離れが良い
使い方適当な大きさにカットしてボウルに敷く
お手入れ使用後は粉を払い、しっかり乾燥させる
公式サイトcotta(コッタ)公式サイト

リネンふきん(発酵布)

麻100%のリネンふきんは、吸水性と速乾性に優れており、パン生地との相性が抜群です。綿よりも毛羽立ちが少ないため、生地にくっつくストレスを軽減できます。

項目内容
特徴生地が張り付きにくく、使うほどに馴染む
向いているパンカンパーニュ、バゲット
公式サイトLino e Lina(リーノ・エ・リーナ)公式サイト

クッキングシート(敷き紙として便利)

ボウルから生地を取り出す際、クッキングシートを被せてからひっくり返すと、そのまま天板へ移動できるため形が崩れません。

項目内容
特徴耐熱性があり、そのままオーブンに入れられる
メリット生地へのダメージを最小限に抑えられる
推奨品クックパーEG(旭化成ホームプロダクツ)
公式サイト旭化成ホームプロダクツ公式サイト

米粉(打ち粉にすると付きにくい)

代用道具を使う際、強力粉よりもおすすめなのが米粉です。グルテンを含まないため水分を吸ってもベタつかず、驚くほどさらりと生地が剥がれます。

項目内容
特徴粒子が細かく、打ち粉として非常に優秀
効果白い粉のコントラストが綺麗に出る
推奨品共立食品 米粉
公式サイト共立食品公式サイト

バヌトン(発酵かご本体・本格派向け)

代用でコツを掴み、本格的なパン作りを続けたくなったら、やはり専用のバヌトンが欲しくなるものです。天然の籐が持つ調湿効果は、代用品では得られない独特の風味を生みます。

項目内容
特徴籐のラインが生地に写り、見た目も本格的
種類丸型、楕円型(オーバル)など
公式サイト富澤商店(TOMIZ)公式サイト

代用するときのセット方法と失敗しにくいコツ

代用道具を使いこなすには、セットの仕方にちょっとした工夫が必要です。せっかく綺麗に成形した生地も、取り出すときに潰れてしまっては台無しです。ここでは、家にある道具を最大限に活かし、スムーズに焼き上げまで進めるための実践的な手順とコツを解説します。

ボウルにふきんを敷いて打ち粉をまんべんなく広げる

まず、選んだ代用道具(ボウルやざる)にふきんを敷きます。この際、ふきんに大きなシワが寄らないよう、なるべく道具の形に沿わせて滑らかにセットするのがポイントです。シワが深いと、そのまま生地に跡が残ってしまうことがあるため注意しましょう。

次に、ふきんの表面に打ち粉を振ります。ここでのコツは「少し多すぎるかな?」と思うくらいの量を、まんべんなく広げることです。

  • 茶こしを使って振ると、均一に薄く広がる
  • ボウルの側面部分にもしっかり粉をつける
  • 強力粉と米粉を1:1で混ぜたものを使うと剥がれやすさがアップする

粉が少ないと、発酵して膨らんだ生地がふきんの繊維に食い込んでしまい、取り出すときに生地が破れる原因になります。ボウルやざるの底から側面まで、白い粉の膜を作るようなイメージで準備を整えましょう。

生地の閉じ目を上にして入れると形が整いやすい

成形した生地を発酵道具に入れるときは、向きに注意が必要です。基本的には「閉じ目を上(自分の方)」にして入れます。これは、最終的に天板へひっくり返して出すときに、綺麗な面が上に来るようにするためです。

セットする際の手順は以下の通りです。

  1. 生地を丸く成形し、底の閉じ目をしっかりつまむ
  2. 表面(綺麗な面)を下にして、静かにボウルの中へ置く
  3. 生地が道具の中心に来ているか確認する

このように配置することで、発酵中に生地の重みで閉じ目が自然と締まり、焼き上がりの底が安定します。また、ボウルのカーブに合わせて生地が形作られるため、ひっくり返した時に美しいドーム状の形がキープされます。中心がずれると焼き上がりの形も歪んでしまうため、置く瞬間の位置取りは丁寧に行いましょう。

乾燥が強い日はラップで覆って調整する

二次発酵中の乾燥はパンの大敵です。特に冬場やエアコンを使用している部屋では、生地の表面が乾燥して硬くなってしまいます。専用の発酵かごは適度に湿度を保ちますが、代用のボウルやざるを使用する場合は、意識的に湿度をコントロールする必要があります。

乾燥を防ぐための対策はいくつかあります。

  • ボウルやざるの上から、大きめのポリ袋ですっぽりと覆う
  • ふきんの上から直接ラップをかける(生地に触れないよう注意)
  • 発酵器や、お湯を入れたコップと一緒にオーブン内(電源OFF)に置く

ただし、完全に密閉しすぎて蒸れてしまうと、今度は生地がふきんに張り付く原因になります。生地の表面がしっとりしていれば十分ですので、周囲の状況に合わせてラップの隙間を調整するなど、臨機応変に対応しましょう。適度な湿度を保つことで、オーブンに入れた瞬間の伸び(オーブンスプリング)が良くなり、大きく膨らむパンになります。

ひっくり返す前に台に軽く打ち粉をすると安心

発酵が完了し、いよいよ天板やクッキングシートへ移動させる瞬間が最も緊張する場面です。ここで生地が道具から離れないトラブルを防ぐために、ひっくり返す直前のひと工夫が効果を発揮します。

具体的な取り出し方のコツをまとめました。

  1. 天板に敷いたクッキングシートの上に、軽く打ち粉を振っておく
  2. ボウルの上の生地(閉じ目側)にも、軽く粉を振る
  3. クッキングシートを生地の上に被せ、その上から天板や平らな板を乗せる
  4. 一気に上下を反転させ、ゆっくりとボウルとふきんを持ち上げる

このとき、無理にふきんを剥がそうとせず、生地の自重で自然に落ちてくるのを待つのが理想です。もし一部が張り付いている場合は、指で優しくふきんを浮かせるようにして剥がしてください。無事に取り出せたら、あとはクープを入れて焼くだけです。このスムーズな移動が、焼き上がりのボリュームに大きく影響します。

発酵かごを代用して焼き上げるコツまとめ

発酵かごがなくても、身近なボウルやざるを使えば、本格的なカンパーニュやハード系のパンは十分に作ることができます。大切なのは、道具の形状を活かして生地を支え、ふきんと打ち粉を適切に使って張り付きを防ぐという基本のステップです。代用品でのパン作りは、特別な道具を揃えるハードルを下げ、より気軽に挑戦できるきっかけになります。

今回ご紹介した「ボウルでの保形」や「ざるの通気性」、そして「米粉を使った打ち粉」などのコツを実践すれば、初心者の方でも失敗を恐れずに丸いパンを焼くことができます。まずはキッチンにある道具を見渡して、自分の作りたいパンにぴったりの「代用かご」を見つけてみてください。手作りの温かみあふれる、丸くて大きなパンが焼き上がる喜びを、ぜひ自宅で体感しましょう。

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この記事を書いた人

パンの香りって、それだけで一日がちょっと良くなる気がして大好きです。ふわふわの食パンも、噛むほど甘い麦パンも、土地ごとのパン文化も、知れば知るほど奥が深いのが楽しいところ。地域のパンや各地のベーカリー、朝食の豆知識などパンの世界をまるごと楽しめる情報を発信します。

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