スケッパーとスクレーパーの違いは何?パン作りが劇的に楽になるおすすめ7選

パン作りを始めたばかりの方にとって、道具選びは楽しみの一つですが、似たような道具が多くて迷うことも多いものです。特に「スケッパー」と「スクレーパー」は、見た目が似ているため、どちらを買うべきか悩む代表的なアイテム。実は、これらには明確な使い分けのポイントがあり、正しく選ぶことでパン作りが驚くほどスムーズになります。

目次

スケッパーとスクレーパーの違いは「素材」と「得意な作業」で分かりやすい

パン作りや菓子作りで頻繁に使われるこれらの道具ですが、主な違いは「素材」にあります。素材が変われば、手に伝わる感覚や生地への当たり方も大きく変わるため、自分がどのような作業を楽にしたいかを考えると選びやすくなります。まずは、それぞれの素材が持つ特性と、どのような場面で力を発揮するのかについて理解を深めていきましょう。

金属タイプは切り分けや分割が得意になりやすい

金属製の道具は、一般的に「スケッパー」と呼ばれることが多いタイプです。主にステンレス製が多く、適度な重みと鋭いエッジ(端)を持っているのが特徴。この鋭さがあるおかげで、粘り気のあるパン生地もスパッと綺麗に切り分けることができます。手ごねの際に生地をこね台から剥がしたり、一次発酵後の生地を正確に分割したりする作業において、金属製に勝るものはありません。

また、金属製は強度が高いため、冷やしたバターを粉の中で細かく刻む「スコーン」や「タルト」の生地作りにも非常に重宝します。樹脂製のようにしなることがないため、力をダイレクトに生地へ伝えることができ、作業効率が格段に上がります。さらに、作業台にこびりついた乾いた生地をガリガリと削り取る掃除の際にも、その硬さが頼もしい味方になってくれます。一本持っておくと、成形から後片付けまで幅広く活躍する頼もしい道具です。

樹脂タイプは混ぜる・集める作業がスムーズになりやすい

樹脂やプラスチックで作られたタイプは、一般的に「スクレーパー」や「ドレッジ」と呼ばれます。最大の特徴は、素材に適度なしなり(柔軟性)がある点です。このしなりがあるおかげで、ボウルの内側のカーブにぴったりと沿わせることができ、底に残った粉やベタつく生地を、一滴も残さず綺麗にかき集めることができます。パン作りではボウルの中で材料を混ぜる工程が多いため、この柔軟性は非常に大きなメリットになります。

また、樹脂製は金属製に比べて軽量で扱いやすく、長時間使っていても手が疲れにくいのが魅力です。角が丸みを帯びているものが多いため、大切なボウルや作業台を傷つける心配もありません。パン生地を扱う際も、生地を傷めずに優しく移動させたり、表面を整えたりする作業に向いています。価格も手頃なものが多いため、形や硬さの違うものを数種類揃えて、用途に合わせて使い分けるのもパン作り上達の近道です。

呼び方はメーカー差があり同じ道具を指すことも多い

「スケッパー」「スクレーパー」「ドレッジ」「カード」など、この道具には多くの呼び名が存在します。実は、これらはメーカーや国、あるいは用途によって呼び分けられているだけで、実際には同じような形状の道具を指していることが少なくありません。例えば、ドイツ語の「Schöpper(シェッパー)」が語源とされるスケッパーは、日本では主に金属製の持ち手付きを指すことが多いですが、メーカーによっては樹脂製をスケッパーと呼ぶこともあります。

英語圏では、平らな板状のものは「Dredge(ドレッジ)」や「Bench Scraper(ベンチスクレーパー)」、ボウル用は「Bowl Scraper(ボウルスクレーパー)」と区別されることが一般的です。混乱しがちですが、選ぶ際に大切なのは「名前」よりも「素材と形」です。商品パッケージにどの名前が書かれていても、自分が求めている素材(金属か樹脂か)と、作業に適した形(直線か曲線か)をしっかり確認すれば、失敗することはありません。

形の違いで「カード型」と「持ち手付き」に分かれやすい

形状に注目すると、大きく分けて「カード型」と「持ち手付き」の二つのスタイルがあります。カード型は、薄い板状で全体を握って使うタイプ。非常にコンパクトで、ボウルの底をさらう作業から、台の上での分割までマルチにこなせます。特に樹脂製のカード型は「ドレッジ」と呼ばれ、パン作りの必須アイテムとして愛用されています。片側が直線、反対側が曲線になっているものが多く、一つの道具で二つの役割を果たせるのが利点です。

一方、持ち手付きのタイプは、主に金属製に見られる形状で、上部にグリップ(持ち手)が付いています。持ち手があることで、力を込めて生地をカットしやすく、多量の生地を扱う際や、硬いパイ生地を作る際に安定感を発揮します。また、手が生地に直接触れにくいため、衛生的に作業を進められるというメリットもあります。自分の手の大きさにフィットするものや、握りやすい形状のものを選ぶことで、パン作りのストレスが大幅に軽減されます。

スケッパー・スクレーパーおすすめ7選

道具の特性が分かったところで、次は具体的にどのアカの商品を選べば良いか見ていきましょう。プロの愛用者が多い定番ブランドから、家庭で使いやすい工夫が凝らされたものまで、評判の良い7つのアイテムを厳選しました。それぞれの特徴を比較して、自分のパン作りに最適な一本を見つけてください。

貝印 KAI ステンレススクレッパー(Bready SELECT)

キッチン用品の大手、貝印が展開する「Bready SELECT」シリーズの一品です。パン作り初心者でも扱いやすいよう設計されており、ステンレス製の適度な重みと鋭い切れ味が特徴。持ち手部分が丸みを帯びており、力を入れて握っても手が痛くなりにくい工夫が施されています。作業台の上で生地を分割したり、こねたりする際のメイン道具として非常に優秀です。

項目詳細内容
素材ステンレススチール
サイズ約120×145×20mm
特徴握りやすいハンドル形状、清潔に保てるステンレス製
公式サイト貝印公式オンラインストア

霜鳥製作所 ステンレススケッパー

新潟県燕三条のメーカー、霜鳥製作所が作る質実剛健なスケッパーです。無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインは、プロの現場でも長く愛されています。全体がステンレスで作られているため、熱湯消毒や食洗機の使用も可能で、衛生面を重視する方に最適。エッジの立ち方が美しく、生地を切り分ける際の感触が非常に心地よい名品です。

項目詳細内容
素材18-0ステンレス
サイズ幅120mm / 135mm / 150mm(複数展開)
特徴継ぎ目のない一体成形、高い耐久性
公式サイト霜鳥製作所公式サイト

マトファー 耐熱スケッパー(ハードタイプ)

フランスの製菓道具ブランド「マトファー」のスケッパーは、世界中のシェフが憧れる最高級品です。樹脂製でありながら、非常に硬質でしっかりとした厚みがあり、金属製に近い感覚で生地をカットできます。耐熱温度が高いため、熱い食材を扱う調理の際にも安心して使用可能。独特の「MATFER」の刻印は、所有する喜びも与えてくれます。

項目詳細内容
素材Exoglass(高耐熱コンポジット素材)
耐熱温度約220度
特徴驚異的な耐久性と耐熱性、プロ御用達
公式サイトMatfer Bourgeat公式サイト

タイガークラウン ドレッジ(カード型)

家庭用製パン・製菓道具で高いシェアを誇るタイガークラウンの定番ドレッジ。適度なしなりと硬さのバランスが絶妙で、ボウルの中での混ぜ合わせから、台の上での簡単な分割までこれ一枚でこなせます。非常に安価ながらも使い勝手が良く、予備として複数持っていても困りません。汚れてもすぐに洗える滑らかな表面加工も魅力です。

項目詳細内容
素材ポリエチレン
サイズ約120×95mm
特徴手に馴染むサイズ感、コストパフォーマンス抜群
公式サイトタイガークラウン公式サイト

シリコン製 ドレッジ(柔らかめでボウルに沿いやすい)

一般的なポリエチレン製よりもさらに柔らかい、シリコン素材のドレッジです。ゴムベラに近い柔軟性があるため、ボウルのカーブが急なものであっても、驚くほど綺麗に生地をぬぐい取ることができます。滑りにくい素材なので、手が粉や油で汚れていても、しっかりホールドして作業できるのがポイント。大切な調理器具を傷つけたくない方にも支持されています。

項目詳細内容
素材シリコン樹脂(芯材入りが多い)
特徴抜群の柔軟性、滑り止め効果、静音性
メリットボウルとの密着度が高く、無駄が出ない

持ち手付き スケッパー(分割作業が多い人向け)

一度に大量のパンを焼く方や、大きな生地を扱う方に最適な、しっかりとした持ち手(ハンドル)が付いたタイプです。L字型の形状は、真上から体重をかけやすいため、硬い生地や重い生地も軽い力でカットできます。木製の持ち手が付いたアンティーク調のものや、握りやすいラバー素材のものなど、デザインの選択肢も豊富です。

項目詳細内容
素材ステンレス(刃)+木または樹脂(持ち手)
特徴安定感のあるカット、手が疲れにくい
おすすめプロ志向のパン作り、パイ・タルト作り

目盛り付き スケッパー(等分カットの目安に便利)

金属製のスケッパーの表面に、定規のような目盛りが刻印されているタイプです。パン作りでは「生地を15cmに伸ばす」といった作業や、均等なサイズに切り分ける作業が頻繁に発生します。わざわざ物差しを取り出す手間が省け、作業の流れを止めずに正確な成形ができるのが非常に便利。正確さが求められる本格的なパン作りに挑戦したい方におすすめです。

項目詳細内容
素材ステンレス
機能センチメートル単位の目盛り付き
メリット成形の精度が上がり、焼き上がりが均一になる

どちらを選ぶか迷ったときのチェックポイント

7つの商品を見てもまだ迷ってしまうという場合は、自分のキッチンの環境や、よく作るパンの種類を思い出してみてください。道具にはそれぞれ「得意分野」があります。全ての作業を完璧にこなせる万能な一本はなかなかありませんが、自分のスタイルに最も近いものを選ぶことで、道具選びの失敗を防ぐことができます。

パン生地の分割を重視するなら金属が選びやすい

「一次発酵後の分割作業が苦手」「生地がいつもベタついて上手く切れない」と悩んでいるなら、迷わず金属製のスケッパーを選びましょう。樹脂製でもカットは可能ですが、どうしても切り口が引きちぎられたようになり、生地を傷めてしまいがちです。鋭いエッジを持つ金属製なら、一気にスパッと切れるため、生地の断面が綺麗に整い、その後の成形も美しく仕上がります。

また、台の上に散らばった粉を寄せる作業も、金属製の方が重みがある分、力強く集めることができます。手ごねをメインで行う方にとって、作業台と生地の間に差し込める薄くて硬い金属製の刃は、なくてはならない存在になるはずです。もし「最初の本格的な一本」を探しているなら、ステンレス製の持ち手付きを検討してみてください。

ボウルの生地集めが多いなら柔らかい素材が向きやすい

ホームベーカリーを愛用していたり、ボウルの中で材料を混ぜ合わせる工程にストレスを感じていたりするなら、樹脂製やシリコン製のスクレーパーが最適です。金属製はボウルの曲線には対応できないため、どうしても生地のロス(残り)が出てしまいます。しなる素材であれば、ボウルの底に溜まった粉をすくい上げたり、側面に付いた生地をまとめたりする作業が驚くほど簡単になります。

また、パン生地だけでなく、ケーキの生地を型に流し込む際や、生クリームをボウルから移す際にも大活躍します。一本で「混ぜる」「集める」「整える」の三役をこなせるため、お菓子作り全般を楽しむ方にとっては、樹脂製のドレッジは非常にコストパフォーマンスの高い投資になります。まずは数百円で買える標準的なカード型を試してみるのが良いでしょう。

作業台を傷つけたくないなら樹脂やシリコンが安心

道具選びで意外と見落としがちなのが、お使いの「作業台」との相性です。大理石やステンレスのしっかりしたこね台を使っている場合は問題ありませんが、キッチンのワークトップ(人工大理石や木製など)をそのままパンこね台として使っている場合、金属製のスケッパーを使うと表面に細かい傷が付いてしまうことがあります。

「賃貸物件だから傷を付けたくない」「作業台を長持ちさせたい」という場合は、角が丸く加工された樹脂製やシリコン製のスクレーパーが安心です。樹脂製でも、硬めのタイプを選べばある程度のカット作業は可能です。また、シリコン製ならテーブルに置いた際にも音が静かで、滑り止めにもなります。自分の作業環境を守るという視点も、道具選びには欠かせません。

1本に絞るなら「程よく硬い樹脂タイプ」が万能になりやすい

もし「キッチンが狭いから道具を増やしたくない」「まずは一本だけ買ってみたい」という場合は、少し厚みがあって硬めの樹脂(ポリエチレンなど)で作られたスクレーパーをおすすめします。適度な硬さがあれば、台の上での分割作業もそこそここなせますし、樹脂特有のしなりを活かしてボウルの中の作業もスムーズに行えるからです。

金属製のメリットと樹脂製のメリットを、ちょうど中間でバランス良く持っているのがこのタイプです。特にマトファーのような高品質な樹脂製は、金属製に匹敵する「切れ」と、樹脂ならではの「しなり」を両立させています。価格はカード型よりは高くなりますが、それ一本でパン作りのほとんどの工程をカバーできるため、結果的に最も満足度の高い買い物になるはずです。

使い分けると作業がラクになる場面

道具は揃えるだけでなく、どの場面でどちらを使うかを知ることで、真の価値を発揮します。金属製のスケッパーと樹脂製のスクレーパーを状況に応じて使い分けることで、パン作りのスピードと質は驚くほど向上します。ここでは、具体的にどのようなシーンで使い分けるのが正解か、4つの例を見ていきましょう。

パンの分割とベンチタイム前の整形

一次発酵が完了した大きな生地を、指定の重さに小分けしていく作業。ここでは金属製のスケッパーの独壇場です。デジタルスケールの上に生地を乗せる際、鋭いエッジでサッと切り、そのままスケッパーですくい上げて運ぶ流れは、金属製ならではのスピード感です。生地を無理に引っ張ることがないため、ガスの保持も良好に保てます。

また、分割した生地を丸める前の整形作業でも、スケッパーを台に対して垂直に立てて生地を寄せるように動かすと、生地の表面を張らせながら綺麗に整えることができます。この「張らせる」作業は、パンの焼き上がりをふっくらさせるために非常に重要です。硬いスケッパーをガイドのように使うことで、手だけで行うよりもずっと正確に、そして素早く生地のコンディションを整えることができます。

クッキーやタルトの切り混ぜ作業

パンだけでなく、お菓子作りにおいてもこれらの道具は欠かせません。特に冷たいバターを粉の中で細かく刻んでいく「サブラージュ」という工程では、金属製のスケッパーが非常に役立ちます。手の熱をバターに伝えたくないため、スケッパーの刃先を使って、バターを小豆大から砂状になるまでリズミカルに刻んでいきます。

樹脂製でも可能ですが、バターが硬い場合は負けてしまうことがあります。金属製なら、サクサクとした切れ味で、バターが溶け出す前に粉と手早く馴染ませることができます。クッキー生地をまとめるときも、スケッパーで押し付けるようにしてまとめると、生地を練りすぎることなく、サクサクの食感を守ることができます。パン道具を他の料理に応用できるのも、質の良い道具を持つメリットの一つです。

ボウルの生地集めやクリームのかき集め

ボウルの中で粉と水を混ぜ合わせる初期段階では、樹脂製のスクレーパー(ドレッジ)が最も輝く場面です。指先で混ぜると生地が手にベタベタと付いてしまい、作業が中断されがちですが、スクレーパーを手の延長のように使えば、手は汚さずにボウルの中を綺麗にまとめ上げることができます。

また、パンの具材にするカスタードクリームやアーモンドクリームをボウルから取り出す際も、曲線のついたスクレーパーが大活躍します。ゴムベラでも可能ですが、スクレーパーは面積が広いため、一度に大量のクリームを、しかもボウルの壁面をなぞるように一気に集めることができます。こうした「細かいストレス」を一つずつ消していくことが、パン作りを楽しく続けるための秘訣です。

粉や具材の移動と作業台の掃除

パン作りが終わった後の作業台には、打ち粉や生地の破片が散らばっています。これを手で集めて捨てるのは大変ですが、金属製のスケッパーを使えば一瞬で解決します。台の端から端まで、スケッパーを少し傾けて滑らせるだけで、細かな汚れまで一箇所に集めることができます。金属製の硬い刃は、台にこびり付いてしまった頑固な生地の残りカスを剥がすのにも最適です。

さらに、刻んだナッツやドライフルーツ、あるいは計量した粉をボウルへ移動させる際も、面積の広いスケッパーを「ちりとり」のような感覚で使うと、こぼすことなくスムーズに移動させることができます。道具を「切る」ためだけでなく、「運ぶ」「掃除する」ための多目的ツールとして活用できるようになると、あなたのキッチンの作業効率は劇的にアップするはずです。

スケッパーとスクレーパーを迷わず選ぶコツまとめ

スケッパーとスクレーパー、一見するとどちらでも良さそうに見えますが、素材と形の違いを知ることで、その重要性がお分かりいただけたかと思います。パン作りを本格的に楽しみたいなら、理想は「金属製と樹脂製を一本ずつ持つ」こと。金属製は台の上の作業に、樹脂製はボウルの中の作業にと、役割を分担させるのが最も効率的です。

予算や場所の都合でまずは一本から、という方は、記事で紹介した「硬めの樹脂タイプ」を選んでみてください。道具が変われば、今まで苦労していた生地の扱いが驚くほど簡単になります。そして、その余裕がパンの焼き上がりへの「こだわり」へと繋がり、あなたのパンをもっと美味しく進化させてくれるでしょう。

お気に入りの道具を手に入れることは、パン作りのモチベーションを支える大きな力になります。貝印やマトファー、タイガークラウンなど、信頼できるメーカーの道具の中から、あなたの手にしっくりと馴染む相棒をぜひ見つけてください。道具を賢く選んで、毎日のパン作りをもっと軽やかに、もっと楽しくしていきましょう。

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この記事を書いた人

パンの香りって、それだけで一日がちょっと良くなる気がして大好きです。ふわふわの食パンも、噛むほど甘い麦パンも、土地ごとのパン文化も、知れば知るほど奥が深いのが楽しいところ。地域のパンや各地のベーカリー、朝食の豆知識などパンの世界をまるごと楽しめる情報を発信します。

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